© Izumi Kogahara

Title

つちくれ

Medium

Oil

Date

2000.12

Title

つちくれ

Medium

Oil

Date

2000.12

F100号油彩, キャンバス
Model : なし

大学の卒業制作として描いた油彩作品。 存在の意味や価値、希望、絶望、自由と不自由、肉体、尊厳。 ひとが生きることをテーマに描いた。

大学時代、ある授業の課題で紹介された一冊の本「夜と霧」がこの作品のきっかけとなった。この本は、ナチスのアウシュビッツ強制収容所で過酷な体験をしたユダヤ人精神科医のヴィクトール・E・フラングルの自伝的作品。非人道的な環境下で、ひとがひととして生きることやその精神性が記されている。

生きることを机上ではなく生々しい実体験をもとに記したこの本は高校・大学時代、なぜ生きなければならないのか?その意味は?など答えの出ないことばかりを考えていた当時の私に、大きなショックを与え、卒業制作のテーマ選択に悩む余地を与えなかった。

とりつかれたようにこの作品を描いた。 この衝動を表現するには、「黒」という色をつかわずに、モノトーンの世界を描く必要があるという自分からの指令にしたがった。(実際に絵の具の黒は使っていない) 不思議なのは、デッサン力の未熟さが露呈しているにもかかわらず、込み上げる底なしのエナジーを今もこの作品に感じずにはいられないこと。その理由は、誰にも曲げられない私の中の暴発的な熱い衝動が私を使って描かせたものだから、と私自身考えている。

誰の評価も眼中になく、表現になんの制限を感じることもなく、ただ解放された無垢な世界で、衝動だけをたよりに私が描いた作品がこの「つちくれ」です。

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